5月1日(日)
今年も 1/3が過ぎた。だが、何と言っても3.11の大惨事があったため、例年のように瞬く間に過ぎたという感じはない。大地震の余波は東京での生活にも大きく影を落としている。最大の懸念は福島第1原発の事故収束の見通しがつかないことで、放射能汚染の心配といった直接のインパクト以外にも、節電による電車の間引き運転、駅やスーパーのエスカレータ休止などの生活上の不便さは未だ解消の目処が立たない。
また、生活物資も未だ十分に出回っているとはいえない。個人的に困っているのは2点。タバコの「チェリー」と朝のトマトジュース。
タバコはチェリーに限らず多くの銘柄が品不足。というより何処に行っても買えない。JTの東北地方の工場が軒並み被害を受けたとかで、今月中旬にならないと入荷しないという。先月10日に麻子夫妻が千葉でゲットしてくれたワン・カートンは既になく、今は仕方なくセブンスターを吸っているが美味しくない。
朝のジュースも、これまで愛飲してきたデルモンテ「野菜ジュース」(減塩なし)ペットボトルが市中から姿を消して久しい。仕方なく他社の減塩ジュースに食塩を加えて飲んでいるがデルモンテの味が恋しい。
震災とは直接関係ないが、プロ野球の阪神タイガースについてもかなりの思惑外れがある。昨日、漸く借金ゼロの5割まで復帰したが、今日敗れて再び借金生活に逆戻り。今日のヤクルト戦が終わり、一応各球団と一当たりしたので、火曜日からの巨人戦では打順も組み替えて、気分一新、快進撃に期待したい。
5月2日(月)
アメリカ大使館から緊急警告が入った。福島原発の件だろうと読んでみると、全く違っていた。ビンラディン殺害関連のものだった。米国務省からの通達として、
「現在の不透明かつ不安定な情勢を踏まえ、反米暴動が起きる可能性のある地域にいる米国市民に対し、自宅・ホテルからの外出を控え、集会やデモの場を避けることを強く求める」との声明が掲載されていた。
(詳しくは → こちら。)
TVのニュースでは、オバマ大統領が「正義は成し遂げられた(Justice has been done.)」と演説すると、ホワイトハウス前やNYのタイムズ・スクエアでは大勢の群集が”USA!USA!”と歓喜の大合唱。まるでワールドカップに勝利したような光景が映し出された。
法治国家のアメリカがビンラディン氏をテロのリーダーと決めつけ、裁判することもなく個人の住宅を強引にヘリコプターで爆撃して殺害する。数年前、大量破壊兵器を隠していると勝手に決めつけ、突然、イラクを爆撃して大混乱に陥れたのと同様、米国流”正義”の定義には少なからぬ違和感がある。
5月3日(火)
今日の東京はどんよりした曇り空。だが、甚だ気分が良い。理由は他でもない、今年初の東京ドームでの試合でタイガース打線が爆発したからだ。ドームでの初ホーマーが金本というのは意外だったが、その後、3回表に見せた鳥谷、新井、ブラゼルの3連発! 東北の被災者じゃないけれど、凄い元気を貰った。
3番、4番、5番のクリーンナップトリオの3連発は、1985年、バース、掛布、岡田が連続でバックスクリーンに放り込む、伝説の3連発以来実に26年振りだ。その伝説のゲームに1番打者で出場していたのが現阪神監督の真弓。今日の試合後のインタビューで「あの時のことを思い出しました」と御満悦だった。
その調子で明日も頼んまっせ!
5月4日(水)
午後からはカラリと晴れ上がり、気温は25℃近く、もう完全に初夏。此処では初夏の香りはキャノン本社からやってくる。本社の表通りは「キャノン通り」と名がついているが、道路の両側のケヤキ並木が素晴らしい。新緑の若葉を思い切り空に伸ばして、初夏の清々しさを謳歌する(写真右)。裏手に回ると広大な敷地を囲む紅白のツツジの垣根が続く。端まで歩くと10分近くかかるので1qはあろうか。ツツジの甘い香りが周囲に漂う。満開まではもう2〜3日のようだ(写真左)。
この日記の愛読者で熱烈な巨人ファンが何人か居る。彼らは、今日の野球の結果について私がどんな記事を書くだろうかと楽しみにしているに違いない。その人たちには悪いが、今日は野球については、ノー・コメントとしたい。
5月5日(木)
今日は木曜日だが祭日のため体操教室はお休み。お陰で、巨人 vs. 阪神戦をゆっくり観戦させていただいた(実際は内心ヒヤヒヤ)。今年ロッテから獲得したセットアッパーの小林宏は、8回に登板するたびに打たれる。今日も小笠原に2000本目のヒットを打たれ、ドキドキだったが何とかピンチを切り抜けた。最後は球児でピシャリ。巨人の期待の星・澤村に黒星をつけたのが大きい。ドームでの初カードに勝ち越したので、言わせてもらおう。「どんなもんじゃい!」
5月7日(土)
菅総理が浜岡原発の全面停止を要請した。極めて唐突な感じを拭えない。一体、どうしてこのタイミングで? そもそも、福島第1原発のことが”一瞬たりとも頭を離れることがない”はずの菅総理が、浜岡原発にそれほど重大な関心があったとは思えない。裏には気になる2つの動きがある。
1つは、数日前、社民党・福島党首の主導で弁護士グループが浜岡原発差し止め訴訟を準備していると知らされた。急遽、海江田経産相に浜岡原発の視察を命じた。もう1つは、昨日、小沢ー鳩山連携が演じた奇妙なパフォーマンスである。小沢氏は珍しく記者団の取材に応じて「原発が制御不能に陥っている責任は政治家として重い。これまで同じ党内で批判するのを遠慮していたが、これからは積極的に発言させてもらう」と、原発事故を「菅下ろし」の軸に据える構えを見せた。また、北京滞在中の鳩山由紀夫氏も小沢発言に合わせるかのように、記者団に対して自らが提案した原発の冷却方式を菅首相に拒否されたことへの怒りをぶちまけた。
党の内外からのこうした動きに先手を打つ形で菅総理から浜岡原発全面停止の要請が打ち出された。理由として「この地域は30年以内にマグニチュード8規模の東海地震が発生する可能性が87%と極めて高い」と述べたが、そんなことは以前から分かっていたことだし、可能性だけなら他の地域でも同じことになるのではないか。浜岡だけを停止すればよいという問題ではなく、日本のエネルギー政策全体を揺るがしかねない、重大な事態を惹き起すトリガーになるだろう。早速、今日、東京で1万人規模の原発反対をアピールする市民デモがあった。
私は必ずしも原発賛成派というわけではないが、地球の化石燃料が枯渇寸前の状態にあり、再生可能エネルギーの利用が未だ開発段階にある現状では、ベース電源を原子力に依存する以外に”解”はないだろうと考える。感情論が先行して「原発反対」を叫ぶだけでエネルギー問題が解決するはずがない。今回の菅総理の”決断”がこうした原発反対の動きに火に油を注ぐことになるのではないかと心配する。
話は変わるが、今日のプロ野球、阪神ー横浜戦でも火に油を注いだ男がいる。先日も指摘した、タイガースのセットアッパー・小林宏だ。4−2とタイガースのリードで迎えた8回に登板し、四球、四球、死球、暴投で1点差とされた後、内藤にフェンス直撃の2塁打を浴びた。お陰で、手中にしていた勝利はこぼれ落ち、4−5で逆転負け。火を消すはずのセットアッパーが水ではなく油を撒いてどうする。小林よ、即刻2軍に行け!
5月8日(日)
5月の第2日曜日は「母の日」。次女の淳子がカーネーションを買ってきて仏壇の横に飾った。母の日の由来については諸説があるが、1914年のアメリカで、時の大統領、ウィルソンが5月の第2日曜を「母の日」と定めたのがそもそもの始まりのようだ。日本人は「○○の日」というのが、何故か大好きなので、コマーシャリズムと相まって貪欲に導入する。語呂合わせも好きだ。恐らく、今日は「5」と「8」で「ゴーヤの日」とされているはずだ。
このマンションの406号室、つまり我が家の3階下には、マリオ・ウェストファルという名の外人が住んでいる。ブラジル生まれのドイツ系アメリカ人で、日本人の奥さんと2人住まいなのだが、奥さんは目下イタリアで料理の修業中とかで1人暮らし。12年も日本にいるにしては日本語がお粗末で、管理組合から廻ってくる連絡が理解できない。今日は、重要な用件だけを説明に行った。マリオ氏も流石に日本語習得の必要を感じたのか、「週に1回程度でいいから日本語を教えてほしい」と頼まれた。
受験生に英語を教えるのは長年経験しているが、外人に日本語を教えるのは未知の世界だ。面白そうだが、何から教えればいいのかイメージが湧かない。中途半端な返事をしておいたら、夜に早速メールが来た。中身は英語なのだが、出だしは「中村先生」と漢字で始まる。なるほど、ローマ字入力で漢字表記するパソコンのシステムなら、外国人でも簡単に漢字を使うことができるのか、と妙に納得してしまった。
5月10日(火)
大モメするのではないかと思われた菅総理の浜岡原発停止要請を中部電力がスンナリ受け入れた。これにより、一部経団連などから不満の声があがっているが、大勢としては菅総理の決断はクリーンヒットだと受け止められているようだ。3月11日の国会で在日韓国人から政治献金を受け取ったことを追及され、土俵際まで押し込まれていた菅総理だが、神風ならぬ神地震に命拾いした後、菅流の”クセ球”を連投して窮地を脱したかにみえる。”菅下ろし”の陣頭指揮をとっていた小沢一郎氏も自身のやり直し裁判で「確かに1億円を渡した」という証人が現れ、刑事被告人としての立場が揺さぶられている。
仮に菅総理がこの政局を乗り切って、6月20日までの国会の会期を無事に終えれば、震災復興の達成度次第では菅内閣は案外持ちこたえるかもしれない。ただ、経団連の米倉会長が指摘するように「民主党政権の運営は突然ある結論が出てきて、どういうプロセスでその結論に至ったのかの説明が全くない」。この先も”突然の結論”に戸惑わされることになるのだろうか。
ところで、母の日のカーネーションだが、今朝、ネコが花瓶を引っくり返して殆どが半分に折れてしまった。おまけにタタミの上は水浸し。ゴンタにはアリバイがあるので、犯人はラーと思われるが、そ知らぬ顔で仏壇の座布団にふんぞり返ってござる。
5月12日(木)
先ずは大変残念なニュースから。今日、体操教室の帰りに何時もチェリーを買っていたタバコ屋を覗いた。
「オバサン、どう? 入荷した?」
「ダメなの。チェリーは全然入らないの。ひょっとしたら製造中止かも…」
「そ、そんな! チェリーがないならタバコやめるよ」
家に帰ってネット検索で調べた。果たせるかな! JTの製造中止23銘柄の中にチェリーの名前を見つけた。少し大袈裟にいえば、目の前が真っ暗! チェリーは多くのタバコの中でも非常に個性的な香りと味があり、一旦これを吸うとはまってしまう。
チェリーとの出逢いは発売開始の1970年に遡る。当時、私は東京勤務でハイライトを吸っていた。あるとき、神戸の実家に里帰りし、久し振りのお袋の手料理に舌鼓を打った後、父の挑戦を受けて将棋をさしていた。長考する間にタバコを切らしてしまい、思わず父のタバコに手を伸ばした。それがチェリーだった。「辛い!」というのが第一感だったが、他のタバコがないので仕方なく何本か吸った。翌日、東京に帰る新幹線の中でも親父から貰ったチェリーを吸っていた。東京に着くころにはそのふくよかな香りと吐き出す煙の重めの感じが絶妙で、すっかりチェリーにはまってしまった。爾来40年、駐在員時代を除いてはチェリー一筋できた。
チェリー愛好家には個性的な人が多い。映画俳優では石原祐次郎、監督の宮崎駿、政治家では橋本龍太郎、野球界では王貞治といったところか。反面、愛好家同士の連帯意識も強い。ネット上の組織だが「チェリー友の会」まである(→ こちら)。
この会には私も入会し、会員番号162番として今も登録されている(→ こちらの頁)。
「友の会」へのメッセージの中で、「チェリーが無くなるときがタバコをやめる時」と書いているが、これは本気だった。だが、JTにも色々と事情があるのだろうと思いなおして、チェリーの相当品があるかどうか、今しばらく探索してみることとしたい。
5月14日(土)
東北の被災地に雪が降り、暖房用の灯油が足りないと騒いでいたのはつい先日のような気がするが、今日あたりは冷房が必要なほどのむし暑さ。そろそろ夏蒲団に替えたいのだが、ネコ殿は未だ冬布団に愛着があるようだ(写真)。我が家ではネコ殿が人間よりも優先するので甚だ勝手が悪い。
福島原発1号機が容易ならざる状態のようだ。格納容器の内部に水を入れ、燃料棒の入った圧力容器からの水漏れを防ぐと同時に外部から圧力容器を冷却する”水棺”方式を計画していた。だが、圧力容器内の炉心(燃料棒)が溶融(メルトダウン)していることが判明。おまけに、圧力容器内に注入した4,000トン以上の水が原子炉建屋の地下に漏れ出していることが分かった。
このままの状態が続くと、放射能汚染水が地下にたまる一方で、かといって圧力容器内への水の注入を止めれば溶けた炉心の温度が上がり続け水素爆発を起こす危険が高まる。圧力容器の漏れの個所を特定し、何らかの方法で漏れ箇所を塞ぐことが急務だが、高レベル放射線下の作業となるので手がつけられない。東電が目論んでいた水棺方式の収束が大幅に遅れるのは必至の状況となった。
容易ならざる事態といえば、我が阪神タイガースも末期的状況だ。ここ6試合で1勝5敗。借金4で横浜と最下位を争っている。これほど負けが混んでも真弓監督はオーダーを固定したままだ。久保が先発するときだけは金本を外して林を起用するが、その他は1番から8番まで固定オーダー。そろそろ不振の金本やマートンを外して若手を起用する、ショック療法が必要ではないのか。
もう5月半ばだというのに、今年は未だ球場での観戦を控えている。折角観に行っても勝てそうにないからだ。現に、先日の横浜との3連戦でも3連敗。浜スタまで出かけなかったことがせめてもの慰めではある。
5月15日(日)
午後、読売日響の定期演奏会で「横浜みなとみらい」へ。今日の演目はドボルザーク特集で、「序曲・謝肉祭」「バイオリン協奏曲」「交響曲第8番」の3曲。当初予定の指揮者はズデニェク・マーツァルだったが、福島原発の事故で来日をキャンセル。代わりに同じチェコのペトル・ヴロンスキーが来日した。バイオリンは、アラベラ・美歩・シュタインバッハーという日独混血の美女だが、素晴らしい技巧の持ち主。第1楽章の終わりのソロ部分のダイナミックな演奏は感動的。また、第3楽章はスラブ舞曲にも出てくるような旋律で、バイオリンとオーケストラの掛け合いも実に見事であった。
交響曲8番は初めて聴いたが、第1楽章は何となくブラームスを思わせる。管楽器を多用して大団円に終わる終楽章は第9番「新世界より」のイメージと重なり、ドボルザーク独特の躍動感とスラブ魂を感じさせた。
夜は、淳子と蒲田に新しくできた「ぼてぢゅう・蒲田店」にお好み焼きを食べに行った。これは、タイガースのホームラン第1号を淳子と賭けて負けた分の夕食。この賭けの結末は実に呆気なかった。淳子はマートン
or 鳥谷に、私は新井 or ブラゼルに賭けたのだが、オープニング・ゲームでマートンが先頭打者ホームランを放ち、瞬時に負けてしまった。
ぼてぢゅう・蒲田店は店内が狭く、年配のシェフが1人で焼くため時間がかかる。味も道頓堀の本店や横浜店に較べるとイマイチだった。
5月17日(火)
今日は別の演奏会で「横浜みなとみらい」に出かけた。西本智美、目下売り出し中の指揮者だ。しかも、彼女は日本のオーケストラではなく、伝統あるロシア国立交響楽団の主席客演指揮者なのだ。スラリとした容姿に端正なマスク。宝塚の男役スターと見まがう。事実、関西出身の彼女は宝塚に住んでいた。阪急電車に乗ると、宝塚の生徒たちが先輩と勘違いして頭を下げるいうエピソードもある。ベルバラのオスカル役にピッタリで、「クラシック界のオスカル」とも言われる。が、テレビのインタビューでは関西弁丸出しで、「指揮棒は編み物の棒でもかまへん」などと言うから外見とのアンマッチが面白い。
その西本智美がロシア国立交響楽団を率いて初の日本ツアー。入場料もオペラ並みで、最上席が16,000円。とても手が出ず、9,000円のB席にしたので3階の後。甲子園の外野席から野球観戦する感じだが、ホールの音響は抜群なので心配は要らない。
出し物はオール・チャイコフスキーで、劇付随音楽「雪姫」より小品3曲、ピアノ協奏曲第1番、それと交響曲第5番。ピアノのヴェドラーナ・コヴァーチはモンテネグロの生まれだが、モスクワ音楽院卒業のスラブ系。力強い演奏でオーケストラとの息も合って素晴らしい迫力だった。交響曲第5番も見事な管楽器の音が響き渡り、思わず涙が出てきた。
西本の指揮がまた圧巻で、長い腕を大きく振り、まるでダンスでも踊っているようなしなやかな動き。彼女の振る指揮棒にオーケストラがピッタリ従う。50人ほどのロシア人相手に日本女性が細い棒1本で見事に操る。実に感動的な演奏であった。最後に満席の客からの拍手喝采に答えてアンコールは「アンダンテ・カンタービレ」。彼女の指揮でこの曲が聴ければいいなと思っていた矢先に演奏が始まったのでまたまた感激。帰りの電車の中でも交響曲第5番の鋭い管楽器の音やアンコールの調和の取れたバイオリンの音色が耳にこびりついていた。これぞ、まさにホンモノ!
(写真は西本智美のHPから借用)
5月18日(水)
今日、嫌な事件があった。塾で私の教えている生徒の1人が、自宅のマンションのベランダから飛び降りたという。幸い命に別状はないが、両足骨折で全治6ヶ月とのこと。背景は分からないが、快活な子だけに信じられない。そのため、塾は早く終わった。帰宅すると、タイガース
vs. オリックス戦の終盤。間に合ってよかったとジックリ観戦したが、結局は完封負け。間に合わない方が良かった。
5月20日(金)
千葉に住む従兄の芳忠氏から段ボールが届いた。開けてみると福知山の「踊せんべい」。手紙が添えられていて、4月4日に福知山で行われた伯母・富美子さん白寿会の内祝いとある。あれから50日近く経つ。不祝儀の満中院志ならともかく内祝いが今ごろ届くとは思わなかった。
更に、手紙には「アルバムが遅れていて現在作成中」とある。冗談じゃないですよ! あの時のアルバムは、徹夜して作成し、1ヶ月以上も前に幹事に送ったはずだ。ただ、集合写真がないので最期の頁だけブランクにしてあるが…(こちら)
せんべいの方は、所謂、玉子煎餅で形やデザインは異なるが、味は神戸亀井堂の瓦せんべいと似たようなもの。硬いおかきなら歯が立たないがこれなら美味しくいただける。デザインには「福知山音頭」だろうか、佐渡おけさのような着物姿の女性が描かれている。そういえば、駅前にもこの銅像が立っていた。特に特徴のない田舎町なので、適当な名産品を作るために出されたアイデアだろう。
福知山といえば、子供のイノシシが小猿を背中に載せて走る”ウリ坊とミワちゃん”しか知らなかったが、2日も滞在したので色々と学んだ。街の中心部に立派な城が残されている。明智光秀の居城だった福知山城だ。駅前のモダンなビルの看板に「谷垣貞一事務所」という看板をみつけた。自民党の谷垣総裁は福知山出身だったのか。京都とは聞いていたが、京都市内とは随分イメージが違うよネ。
私がせんべいを食べていると、ゴンタが何時の間にかやってきて、開けたばかりの段ボールに入り込んだ。このネコは段ボールやポリ袋が3度のメシより好きなんだから…
5月21日(土)
久し振りにセミナーに出かけた。帝国ホテル「孔雀の間」で行われたパネルディスカッション形式のセミナーで、パネリストは3人。小泉純一郎、加藤寛、竹中平蔵の豪華メンバーだ。タイトルの「三賢人経綸問答」は、明治の思想家、中江兆民の著書「三酔人経綸問答」をもじったもの。
兆民の著作では、紳士君(竹中平蔵?)と豪傑君(小泉純一郎?)の主張を南海先生(加藤寛?)がまとめるというパターンで議論が進んでいくが、今日のセミナーはそれぞれが好き勝手に発言する感じ。
パネリストの3人は慶応大学という接点がある。加藤氏が慶応大学の教授をしていたとき、小泉氏は加藤氏に学んだという。竹中氏は慶応の現役の先生だ。
ディスカッションのテーマは4つあり、各人はこのテーマにそって発言するという想定。
・21世紀の大潮流
・日本のV字回復に向けて
・21世紀の日本の課題
・日本と世界、経済の大潮流を読む
3人の中でテーマに最も忠実に発言したのは竹中氏で、後の2人は放談に近かった。このセミナーを企画したのはUBS(Union Bank of Swiss=旧スイス銀行)と日経CNBC。親友の石田氏が現役時代 UBSと取引があったことから招待され、私は便乗したものだが、時にはこういうセミナーを聴くのも刺激があって面白い。
5月22日(日)
今月3度目のコンサートで久し振りにサントリー・ホールへ。今日の出し物は「及川浩治・協奏曲シリーズ・グランドフィナーレ」のタイトルで、ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」とベートーベン「ピアノ協奏曲第5番(皇帝)」。及川浩治は、2008年6月スタートで、ラフマニノフ、ショパン、、リスト、チャイコフスキー、シューマン、グリークなどの協奏曲を東京と大阪で公演してきたが、今日がその最終の第10回。「最後はどうしてもベートーベンを弾きたかった」と「皇帝」がラストを飾った。
ダイナミックな中に繊細さを加えた演奏は実に見事で、皇帝の迫力は聴くものに息をのませるものがあった。オーケストラは新日本フィルで指揮は広上淳一。広上さんの指揮は昨年2月以来だが、以前のようにキビキビとしたタクト捌きでピアノとの息もピッタリの好演奏であった。
公演が終わって外に出てみると大雨。濡れるのはイヤなので、向いにあるアークヒルズのイタリアンに飛び込んだ。食事の後、少しビル内を歩いてみた。昔とは様変わりで、隣の全日空ホテルへの通路も覚束ない。20年以上も前だが、宇部興産の東京本社はこのビルにあった。当時はこの辺りを肩で風を切って闊歩していたと記憶するが、今は全くのエトランゼのようだ。
実は、今日関西でもう1つの演奏会があった。児玉麻里さん主催の「第21回オルガン・フェスティバル」オープニングが同じ時間に西宮の仁川学園コルベ講堂であった。私はこの演奏会の世話役を仰せつかっていたのだが、西宮市在住で高校時代の友人、鈴木康代さんに丸投げした形で協力をお願いしてきた。今年のフェスティバルにはドイツから著名なオルガニスト、エーリッヒ・シュテンダー氏を招聘して多くの聴衆に集まってもらうべく準備してきた。
パイプオルガンは教会との結びつきが強く、日本ではメジャーではない。チケットの売行きが心配されたが、鈴木さんらの御尽力もあって大盛況に終わったようだ。児玉さんから感謝のメールを受け取ってホッと一安心。鈴木さんらの御尽力に心からお礼申し上げる。
5月24日(火)
日本列島の天気の変化は目まぐるしい。昨日、九州が入梅したかと思えば、北海道紋別では雪。今日の東京は午前中雨で肌寒い。午後から久し振りに晴れたが風は冷たい。仏壇の花を新しくしようと花屋を覗いたら、向日葵の特売をしていた。季節感がバラバラで暑いのか寒いのかもよく分からず、未だに冬物の布団を使っている。
このところ野球の話から遠ざかっていたが、昨日までタイガースは4連敗で、しかも4試合で挙げた得点は合計で1点。これじゃ勝てるわけがない。今日は漸く打線がつながり、5−3で西武を破って最下位を脱出した。トンネルは抜けたので、明日からこの日記を飾れるような活躍をみせてもらいたいものだ。
今日は、久し振りに素晴らしい夕焼け空が現れた。向日葵の写真とともに紹介する。
5月26日(木)
今日は児玉麻里さん主催の「オルガンフェスティバル・東京公演」の日。体操教室の後、そのまま車で目白の東京カテドラルへ。目的はコンサートを聴くというよりはお手伝い。毎年、このフェスティバルでは会場入口でプログラムの販売をやらされるのだが、今日の役目も同じだった。お手伝いには児玉さんのお友だちが10名ばかり来ている。今年は緊縮財政の所為か弁当の配給がなかった(何時もは牛肉弁当が出る)。仕方なく、O女を誘って向かいにある椿山荘で食事。大して美味くもないポークカレーが
1,800円。コーヒーが 950円と一流ホテル並みのお値段だが、他に食べるところもないので仕方がない。
プログラムはペラペラの冊子を 500円で売るのだから、これも椿山荘並みのお値段。ところが、意外にも例年の倍以上、130部ほど売れた。販売個所を入口からホール内に替えたのが良かったようだ。しかも、オルガン演奏もよく聞こえた。出し物はグリークの「ペールギュント組曲」とエルガーの「威風堂々」以外は知らない曲ばかりで大した感激はない。それでも、ドイツの一流オルガニスト、エルンスト・シュテンダー氏の弾くオルガンの音色は会場の隅々まで心地よい響きを放った。
5月27日(金)
気象庁は関東地方も入梅したと発表した。例年に較べて2週間近く早いという。今からジメジメした季節が始まる。加えて、大型台風が日本に近づきつつあるという。実は、昨日アメリカ大使館から緊急警告の連絡が入った。福島原発の話だろうと読んでみると、台風2号の警告であった。この台風はカテゴリー4級の大型台風なので在日アメリカ人、日本方面に旅行中のアメリカ人十分注意するようにとある。
アメリカのハリケーンは「カテゴリー1〜5」まで、5段階に分類される。先日東海岸を襲って大きな被害をもたらしたハリケーンは「カテゴリー5」。台風2号はそれに次ぐ大きなものとの評価である。なるべくなら逸れてくれることを望みたい。
今日、昭和大学病院に生徒の見舞いに行った。先日飛び降りて大怪我をした子だ。昨日6時間に及ぶ手術があったとのことで、両足は大きな包帯と氷枕でグルグル巻きにされていた。複雑骨折で大変な手術だったという。歩行機能の回復が心配されたが、何とか6ヵ月後には歩けるようになるだろうと、医師の診断。早く元気な姿を見せてほしい。
5月28日(土)
406号室のマリオさんへの日本語指導が今日から始まった。同氏は外資系(スウェーデンのエリクソン社)勤務なので仕事の上で日本語が必要となることはない。日常の買物やレストランなどでの会話を習得したいという。レストランというと聞こえはいいが、恐らく焼き鳥屋だろう。毎週、土曜日は夕方からプールでひと泳ぎして帰りに近くの焼き鳥屋で食事をすると言っていた。焼き鳥屋のオヤジと少しは気の利いた会話をしたいのだろう。目標がその程度ならこちらも気が楽だ。
以前習っていたというテキスト「みんなの日本語・ステップU」の復習から入った。先ず、肯定文、否定文とその過去形の練習をやった。
・行きます
・行きません
・行きました
・行きませんでした
日本人には何でもないことだが、語尾の僅かな変化で過去形や否定形になるのが外人にはなかなか理解しがたい、ということが分かった。
5月30日(月)
台風一過、午後からは梅雨とは思えない青空となった。台風2号は各地で爪痕を残して温帯低気圧となったが、特に大きな被害がなかったのは幸いであった。
一方、政界の嵐は一向に収まる気配がない。今週末にも自民党から内閣不信任案が提出されるという。民社党の中にも、小沢氏を核としてこれに同調する動きがある。不信任案が可決されるとは考えられないが、もし可決されたとして、その先は一体どうなるのだろうか。内閣総辞職なら民主党内から次の総理が出るだろう。だが、一体誰が? まさか、小沢一郎ということはないだろう。仙石? 岡田? 前原? 原口? 誰がなっても党内を上手くまとめられるとは思えない。
菅氏にリーダーシップがない、対応が場当たり的だなどといった批判があるが、日本の議院内閣制を前提とする限り、強力なリーダーシップを期待すること自体無理な話だ。私は菅総理を決して評価するものではないが、国内情勢が危機的状況にあるとき、政府内までが混乱するのは極めて危険だと思う。
「急流を渡るのに途中で馬を替えるべきではない」に対して「急流を渡れないなら馬を替えるべきだ」との議論があるが、代わりの馬を特定するならともかく、今の馬ではダメだというだけで「菅総理を辞任させること」が目的化したような議論に与することはできない。